第5回 渡邉陽子 あわいのまにまに オンライン特別販売会 - 福屋オンラインストア

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第5回 渡邉陽子 あわいのまにまに オンライン特別販売会

東広島で作陶されている渡邉陽子先生の新作を
5回にわたりご紹介してまいりました。
次回、第6回は2025年を予定しております。

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東広島の自然や暮らしをエネルギーにして
生まれるわくわくの焼きものたち。

渡邉陽子 作品

東広島市八本松の田園地帯。あり余る自然の只中に、陶芸家 渡邉陽子さんの工房。オタマジャクシから出世したばかりの小ガエルたちが嬉しそうに出迎えてくれました。「この環境がわたしにいろんなヒントをくれます」。エネルギッシュな渡邉さんの作陶の源の一端は、ここ東広島の自然にもありそうです。

渡邉陽子 作品

渡邉陽子さんが創り出す多くの作品にはパステルカラーのシンプルで柔和な表情の造形に様々なパーツが貼りつけてあります。石膏でつくられたカタに陶土を押し込み、型取りしたパーツをひとつひとつ丁寧に器に貼り付けていく作陶の空間は、息をつくのも憚られる静謐の時間。「スケッチや頭の中の設計図はありますが、パーツを張り付けていくのは意外に即興」なのだそうです。その日、その時の感情や想いがそうさせるとおりの作陶は、「けっしてわたしだけの思いではなく、モノがなろうとするカタチを求めています」。土との対話であり二度と同じものが生まれない。

土がなりたいカタチを求めて。

渡邉陽子 作品

季節の移ろいに色合わせ。

渡邉さんの作品を特徴づけるもうひとつが“色”です。渡邉さんにとって色の探求は生命力の表現の過程でした。海や空、あるいは生き物たちといった自然が秘めるエネルギーを自分なりのフィルターを通してカタチにしていくこと。これが陶芸家渡邉陽子のミッションだそうです。海も空も動いている。その動きを色で見せるにはどうすればいいか。最初の出会いはトルコ釉でした。発色の良いトルコブルーと乾いた白の対比で命の源でもある“水”を表現しました。しかし、やがて表現したいことと自身の技法がなかなか合致しないことに悩みます。パーツの貼り付けが生きてこないのです。「色を使ってみよう!」。それが丁度、東広島に移り住んだタイミングと重なります。自然が織りなす森羅万象の変化を目の当たりにして、それまであえて制限してきた色を開放したのです。春の新緑の季節には萌えるように淡いグリーンを。田んぼに水が張られたときには、水面に映り込んだ空色を。秋になれば色づく樹々に触発されて赤や黄色を・・・・。季節の心地よい移ろいの一瞬を切り取るように、ろくろを回し、色を合わせ、炎に挑んで、生命(いのち)が吹き込まれた作品が生み出されます。

渡邉陽子 作品

もともと建築家をめざしていたという渡邉さん。いまでも好きでいろんな建築物を訪ねるのだそう。「建築は外と中の両方を楽しめるのがいい。わたしの作品に蓋物が多いのも中を楽しみたいからかも」。そんな渡邉さんが、陶芸を目指すことになったきっかけは、あるテレビ番組で知ったケイト・マローンという陶芸家の作品に出合ってから。その繊細でエキセントリックな作品世界のなかで、渡邉さんが憧れたのは、造形の自由さ。それまで焼き物といえば、地元山口の萩焼に代表される素朴な風合いの気品に満ちた器たち。新しく拓けた世界にすぐに飛び込むことを決心。美大へと進路を変え、大学在学中は、渡欧し現地の陶芸も学びました。「思い立った瞬間にすぐに行動に移さないと気が済まない」その実行力こそが渡邉さんの真骨頂でもあります。「タマネギガール」と名付けられた一連のシリーズは、姪っこさんが生まれたときに生まれたイメージがカタチになりました。これから成長していくためのエネルギーをしっかりと蓄えた球根は、やがて意思が生まれ、知識を育み、大きく育っていくほどに作品も成長していきます。「いまでは、中学生。きっと反抗期も近いですね」と笑います。

姪っこの誕生とともに生まれた「タマネギガール」。

毎日のわくわくが止まらない。

渡邉陽子 作品

古い民家をリノベーションして完成したアトリエ。一画に展示スペースがあり、窓越しの青々とした田んぼを借景にして作品たちが楽しそうに並んでいます。近作で目を引くのが、花で彩られたポップな蓋物の器を背負うカメというユニークな「花亀(はながめ)」シリーズ。「春先、日課になっている朝の散歩のとき池で見かけて、すぐに“花を背負ったカメ” の映像が閃いたんです」。自然の宝庫でもあるご近所散歩で見かけたものがスイッチになって新しい作品が生まれていく。「毎日がとても楽しくて」と目を輝かせながら微笑む渡邉さん。これから生まれる新しい作品が、今からとても楽しみですね。

東広島市八本松  陶芸家 渡邉陽子
東広島市八本松 陶芸家 渡邉陽子
1976
岡山県に生まれ山口県に育つ
1998
イタリア・ファエンツァの工房にて研修
2000
京都市立芸術大学美術学部工芸科陶磁器専攻卒業
卒業制作展「富本賞」
2003
個展/京都髙島屋(京都)(‘09、‘12、‘15、‘19)
2007
第1回現在形の陶芸・萩大賞展 佳作受賞
(‘10、‘13、‘16入選)
2010
第2回やまぐち新進アーティスト大賞
大賞およびACS賞受賞
個展/山口井筒屋(山口)(‘12)
2011
第21回日本陶芸展 入選
2013
現代作家茶碗特集/日本橋三越本店(‘14、‘15、‘16)
2016
個展/福屋八丁堀本店 (広島)(‘18、‘21)
2017
Révélations the fine craft and creation fair
(Paris、France)
個展/日本橋三越本店(東京)(‘20)
2019
第5回現在形の陶芸・萩大賞展 佳作受賞
2020
第4回日本陶磁協会 現代陶芸奨励賞
中国・四国展 入選
2021
笠間陶芸大賞展2021 入選
第9回菊池ビエンナーレ 入選
現在 全国有名百貨店美術画廊にて個展
広島県東広島市にて制作
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