バレンタインデーの起源
諸説ありますが、もっとも有名なものは3世紀のローマ帝国を起源とする説です。元々2月14日は結婚の女神ユノの祝日であり、古代ローマではその翌日2月15日から、豊穣や浄化を祈る「ルペルカリア祭」という祭りが行われていました。この頃、当時の皇帝グラディウス2世は兵士の士気が下がるという理由で、若い兵士の結婚を禁止していました。キリスト教の司祭ヴァレンティヌスは、愛する人と結婚が出来ず嘆く兵士たちを可哀想に思い、秘かに彼らの結婚式を執り行っていましたが、そのことが皇帝の耳に入り2月14日に処刑され、ルペルカリア祭の生贄とされました。彼の死後、2月14日は「聖ヴァレンティヌス司教の日」と定められ、恋人や夫婦の間で贈り物を交換する愛の日として定着していきました。
日本における歴史
日本でバレンタインが始まったいきさつについては、「製菓会社が販売促進のために行ったマーケティング戦略」といった話をよく聞きます。その始まりについては1936年、1958年、1968年等、様々な見解がありますが、いずれにしても当初は売り上げに伸び悩み、一つの特定企業だけが広く普及させたということではないようです。バレンタインデーを日本に定着させようとする企業の動きそのものは1960年前後からありましたが、当時は夫婦をメインターゲットに置いていたこともあり、海外からの新しい文化であるバレンタインはあまり普及しませんでした。その後1970年代中頃から10代を中心に「バレンタインデーに片想いの相手へチョコレートを渡して告白する」という習慣が広まったため、バレンタインとは企業の陰謀などではなく、学生を中心に作り上げられた文化だという意見もあるようです。1980年代に入ると義理チョコやホワイトデーの文化が登場し、2000年代以降は友チョコや自分用に買うご褒美チョコの風潮も広まっていきました。今後もバレンタインの形式がどんどん変わっていくかもしれませんね。
海外では…
日本ではバレンタインデー=女性が男性に想いを伝える日、チョコレートや贈り物を贈る日という認識が一般的でしたが、国によってその認識は様々です。例えばアメリカやイギリスではバレンタインデーを「恋人たちの日」「夫婦の日」とし、日本とは逆に男性から女性へ花束やアクセサリーを贈ることが多いようです。また、バレンタインデーにチョコレートを贈る習慣はイギリスが発祥ともいわれています。インドやベトナムでも男性から女性に花束を贈ることが多かったり、フィンランドでは「友達の日」として親しい友人同士でプレゼントを贈り合う事が多かったりなど、国ごとにバレンタインの形式は実にいろいろ。韓国では日本と同じように女性から男性にチョコレートを贈るスタイルが一般的です。